いつもの生活に世界のスパイスを。

Cafetalk Tutor's Column

nagaiki 講師のコラム

養生訓について(11 )

2022年8月13日

こんにちは、nagaikiです。
養生訓(原文)

「人の命は我にあり、天にあらずと老子(ろうし)いへり。
人の命は、もとより天にうけて生れ付たれども、養生よくすれば長し。養生せざれば短かし。然(さ)れば長命ならんも、短命ならむも、我心のままなり。身つよく長命(ちょうめい)に生れ付たる人も、養生の術なければ早世(そうせい)す。
虚弱にて短命なるべきと見ゆる人も、保養よくすれば命長し。
是皆、人のしわざなれば、天にあらずといへり。
もしすぐれて天年みじかく生れ付たる事、顔子(がんし)などの如なる人にあらずむば、わが養(やしない)のちからによりて、長生する理(り)也(なり)。
たとへば、火をうづみて炉(ろちゅう)中に養へば久しくきえず。風吹く所にあらはしおけば、たちまちきゆ。蜜橘(みつきつ)をあらはにおけば、としの内をもたもたず、もしふかくかくし、よく養なへば、夏までもつがごとし。」

意訳

老子も、「人の寿命は天にあらず。」と言っています。
例え、生まれつき病弱でも、そして、人生の途中で病に苛(さいな)まれたとしても、これから、自己管理を行えば、十分に長生き出来ます。
例えば、火も風があるところでは、すぐ消えますが、暖炉などでは、なかなか消えません。
柑橘類(かんきつるい)も、冷暗所(れいあんしょ)で管理すれば、長く持てます。


気づき

貝原益軒先生自身が、若いころから体が弱く、周囲から長くは生きられないと思われていたそうです。

養生訓は、80代前半に出筆されたそうですから、この言葉は、経験に基づく言葉なのでしょうね。


やはり、体現者(たいげんしゃ)の言葉には、説得力があります。




本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

お気軽にご質問ください!