先日、小学生の生徒さんの国語の授業で、思い立っていきなり英語の授業に切り替わりました(笑)
なぜか?もちろん国語に必要なことだからやったんですよ。
それは「not A but B」の構成を解説するためです。
国語の読解は大学入試までずっと使います。先程の「〜ではない、〜である」の構文は、高校生は受験用語として「not A but B」として習うんですね。どうせずっと使うなら、小学生の今から知っておいて損はないかな、(あと英語の勉強にもなるし、)と思ったわけです。
英語ではよく見られる構文ですが、対比をコンパクトにまとめて自分の主張に説得力を与えられるので、この型が現代文(とくに評論文)でよく見られますよね。
読解問題では、よく出てきます。簡単な例で見ていきましょう。
彼は、11歳ではない。そうではなくて10歳なのだ。
この文に傍線が引かれて、「どういうことか。15字以内で説明せよ。」と聞かれたらどう答えるのがいいでしょうか?字数制限があるので11歳、10歳、両方書くことはできませんね。そこで、2つの可能性があります。
「彼は11歳ではないということ。」
「彼は10歳なのだということ。」
どっちがより良いか。もちろん後者ですよね。前者だと、「じゃあ9歳なのか?12歳?」となってしまいます。筆者が「10歳だ」とハッキリ言ってるのだから、それでは不十分な解答です。
ではもうちょっと長い文でやってみましょう。
私がいいたいのは、成人年齢を18歳に下げることが悪いということではない。そうではなくて、成人年齢を18歳に下げるために必要な教育を子どもたちに与えなければいけない、ということなのだ。
not Aにあたるのは「成人年齢を18歳に下げることが悪いということではない」ですね。
but Bにあたるのは「成人年齢を18歳に下げるために必要な教育を子どもたちに与えなければいけない」です。
この型を知れば、筆者の主張がスッと理解しやすくなります。逆に、ここから、記述や作文で自分が説明したいことを簡潔に伝えるために必要なことが見えてきます。それは、
「〜ではない(not A)」と否定ばかり言うのではなく、「〜である(but B)」と肯定で表現しようということです。
not Aを言っている間は、自分の主張の核心にたどり着けていません。そのまま字数がなくなって終了、という作文を多く見てきました。否定文もいいですが、その前にbut B=肯定文をしっかり書きましょう。
そうすれば、簡潔に、自分の言いたいことが書けるようになります。